2019/07/24

ノーズライティングのお話 6




千葉は水温が一気に上昇し、もうフルスーツは要らなくなってきました。今週末の台風が少し心配ですが、あまり被害が出ないことを祈るばかりです。



最近はトライフィン・デュアルといった乗り味が全く違ったボードや、眠っていたビンテージボードで毎日楽しんでいます。




さて、今回はノーズライディングのお話の上級者編を書きたいと思います♩

ウォーキングのコツやノーズライティングのお話の前編については下記のリンクから是非読んでみてくださいね。














今回はロングボーダーの憧れの技 " ハングテン "について。写真や映像ではよく見るけれど、意外とハングテンのやり方って検索しても情報が少ない気がします。



ボードの先端まで歩き、目の前の視界が波だけになる瞬間は........





ハングテンができてからのお楽しみです♩


ハングテンとはハングファイブから更に後ろ足を前に出し、ボードの先端に両足の指をかけるロングボードの中でも難易度の高い技。

ノーズライティングの魅力はタイミングやコツを覚えれば、体の大きさや年齢、性別問わず誰でも出来ること。もちろんハングテンも同じこと。



ハングファイブは長くできるのに、何故ハングテンができないのか?ハングテンをすると沈んでしまうことが私の長年の疑問でした。。

きっとそんなお悩みを持っている方もいると思うので、詳しく書いていきたいと思います*



まずは下記の写真のハングファイブとハングテンを見比べてみます。





1枚目のハングファイブは重心も下がっていて後ろ足の上〜後ろにお尻があり、後ろ足に体重がかかっていることがわかります。


ハングファイブが "加速" だとしたら、ハングテンは "ブレーキ"のような役目があり、ただ単に両足をかける技ではなく波のポケットに留まるための技としてハングテンをします。






1枚目のハングファイブの写真はこのままハングテンをしようとすると、きっとノーズが刺さって沈んでしまいます。

× 理由はボードが走っている場所が波の中腹にあり、更にボードが進む向き(ノーズの向き)がボトム(下)に向きすぎていること。もう1つは波のポケットから離れていること。



○ 2枚目のハングテンは自分が波のポケット(パワーゾーン) にいて、テールの周りが波にしっかりとホールドされています。ボードの向きがボトムに向きすぎていないこと。



大げさに言えば、黄色いゾーンはハングファイブ、緑のゾーンはハングテンがしやすい場所です。ウォーキングでもノーズが刺さってしまう方は、黄色のゾーンより更に左を走っているかもしれません。

 黄色の位置でノーズライティングしている場合は歩幅を広く、重心を後ろにしなくてはノーズライティングができません。ハングテンをするためには緑の位置へ重心を持っていくことが良いでしょう◎



もし自分が黄色いゾーンでハングファイブをしている状態であれば、後ろ足の親指の付け根あたりに重心を持っていく(この時膝もやや波側へ入れる)ことでボードが少し傾くと同時に波側のレールが入り、ボードの向きを波のトップへ上げることができます。

ノーズライティングは繊細な重心移動でボードコントロールができるため、あまり大きく体重をかけすぎてしまうと波側のレールが全て入ってしまい(波に対してボードの向きが真横になるイメージ)

波に置いていかれたり、波にホールドされていたフィンが抜けて横滑りしてワイプアウトしてしまいます。



大きな船を旋回させる場合はゆっくりとしか動けないように、ロングボード(ハイパフォーマンスボードは別として)もレールを入れてからボードがその向きに動き出すまでに全ての動作が1〜2秒くらい遅れます。

このタイミングを理解し、波側のレールを入れてから歩き出すとボードは波のトップへ移動しながらウォーキングができます。




ポイントは
・ボトムに降りすぎない
・波側のレールを入れる
・波のポケットの近くで行う
目線は自分が進みたい方向の波へ。この後波がどうブレイクしていくかしっかり予測する。



人間の頭は平均5kgもあるため、頭が大きく揺れてしまったり体が前に倒れてしまうとバランスを取るのが一気に難しくなります。


ノーズライティングの基本は、常にレールが入っていること。レールが全く入っていなければボードはボトム(真下)に落ちていきます。

逆にボトムに降りたければ左へ(レギュラーの場合)重心を少しかけることでボードはボトムに落ちていきます。

ハングファイブの時に重心を前後左右してボードコントロールをすることができれば、ノーズライディングをしたままトリムするようにフェイスを走ることも可能です。ハングテンも楽しいですが、長いハングファイブも最高の気分になります。



バツカラスのスーパーライトでノーズライディングした後の顔。笑



海外の素晴らしいサーファーはハングテンをしたままボトムからトップへ、ボードを左右に動かしながらアップ & ダウンし常に波のポケットでハングテンをし続ける人もいます。。笑



波が崩れきってしまうエンドセクションの前の一瞬は中級者レベルでもハングテンがやりやすいタイミング。

エンドセクションの前は波が切り立った状態が生まれるため(この瞬間は写真の緑のゾーンと似ている)、一瞬ハングテンができる瞬間が生まれます。

しかし、見た目も感覚も沖のピークとエンドセクションでハングテンするのは全くの別物で難易度も一気に上がります。




ボードが傾き右側のレールが入っている瞬間


基本は自分が走っている場所の先が崩れそうになる前にハングテンからハングファイブへ戻したり、更にステップバックをします。


スケートボードをする時に怖がって重心を後ろにしてしまうと後ろ側にすってーん!と転んでしまうように

ロングボードのステップバックの時も重心は真っ直ぐ。ボードを前に押し出すようにすると安定してステップバックできます。



(クラシックボードであれば、波のスープの下をハングファイブで抜けてきて、フェイスに出た瞬間にハングテンをするという応用編もあります。)



ハングファイブは比較的波の大きなスペースでできるため、コツを掴めばできるようになります。ハングテンは更に狭いスペースでしかできないため、意識してハングテンできるゴールデンゾーンへ行くことが必須です。



ウォーキングの時も上体は起こすのが◎


さいごに。。私がハングテンのコツを掴めたキッカケは、写真で見たときに "ハングファイブの時の後ろ足の部分"  この場所がハングテンができるポジションなんだ!と気付いたことです。

とにかく、ハングテンができるゴールデンゾーンは何度も挑戦して理解していくしかないので

ノーズライティングができる方は自分が走っている波の位置を意識してみてくださいね♩

少しでもノーズライティング・ハングテンのヒントになったら嬉しいです。

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Hiroka.